― Kaggleで「医療費」を予測してみた記録
こんにちは!
私は医薬品情報担当者(MR)として十年以上、医師や薬剤師の先生方と向き合ってきました。
その経験を通じて強く感じたのは、「臨床エビデンスとリアルワールドデータを“数字”で語れる人材」の重要性です。
本記事では、無料で使えるデータ分析プラットフォーム Kaggle を活用し、
初心者でも手を動かしながら AIの土台となる統計学 を学ぶ方法を記録しました。
1. なぜMRがAIと統計を学ぶのか
“データで語れるMRは、これからの医療コミュニケーションを変える。”
これまでMRの仕事は「論文を紹介し、情報提供を行うこと」が主でした。
しかし医療現場では、個々の患者背景や地域特性を踏まえたデータドリブンな提案が求められています。
その鍵になるのが AI/機械学習、そして土台にある 統計学 です。
[st-mybox title=”AI×統計で得られる3つの力” fontawesome=”fa-chart-line” color=”#0080ff” bordercolor=”#0080ff” bgcolor=”#f0f8ff” borderwidth=”2″]
- 個別患者レベルの予測
- 大量データからのパターン発見
- 科学的根拠を裏付ける説明力
[/st-mybox]
2. 本日使うデータセット
Medical Cost Personal Dataset
項目 説明 人数 1,338名 特徴量数 7(年齢・性別・BMIなど) 目的変数 年間医療費(charges) このデータは「生活習慣や喫煙有無が医療費にどれだけ影響するか」を学ぶには最適です。
統計の基本である平均・中央値・分散も直感的に理解できます。
3. Kaggle Notebookを動かす3ステップ
[st-step step_no=”1″ title=”Notebookをコピー”]Kaggleページ右上の「Copy & Edit」で自分専用に複製[/st-step]
[st-step step_no=”2″ title=”Run Allで一括実行”]ライブラリ読込→データ確認→回帰モデル作成まで自動実行[/st-step][st-step step_no=”3″ title=”残差プロットで精度確認”]予測誤差を視覚化しモデルのクセを把握[/st-step]
実行結果の決定係数R²は約0.79、RMSEは約6,000。
これだけでも医療費をかなりの精度で予測できることがわかります。
4. AIと統計学の関係をやさしく整理
AIと聞くと「ディープラーニング」というキーワードが真っ先に浮かびますが、
その根底には 統計学の“パターンと確率”の考え方 が流れています。統計的手法 AIでの発展形 医療分野での活用例 線形回帰 勾配降下法による自動最適化 医療費・薬剤使用量の予測 ロジスティック回帰 2値分類アルゴリズム 疾患リスク判定(糖尿病・心疾患など) クラスタリング K-means→ニューラルクラスタリング 患者タイプ別セグメンテーション ベイズ推定 ベイズ最適化 個別化治療(治療反応確率の推定) 統計学が「データの傾向を説明する学問」だとすれば、
AIは「説明をもとに未来を自動で予測し続ける仕組み」と言えます。
5. やってみて得た3つの学び
[st-cmemo fontawesome=”fa-lightbulb”]中央値と外れ値:喫煙者の医療費は平均よりはるかに高く、中央値との差が大きい=分布把握の重要性[/st-cmemo]
[st-cmemo fontawesome=”fa-lightbulb”]残差プロット:過学習を視覚で判断できる。統計グラフはAIモデル改善の羅針盤[/st-cmemo]
[st-cmemo fontawesome=”fa-lightbulb”]英語Notebook:専門用語を“生”データと結び付けて覚えられる[/st-cmemo]
6. 次のステップ
- 特徴量エンジニアリング
年齢を年代カテゴリへ、BMIを範囲別にバケット化 - モデル比較
ランダムフォレスト・XGBoostで精度向上を検証 - アウトプット
YouTube短尺動画 & Instagramリールで学びを共有 - 医療現場での応用イメージ作成
喫煙指導や肥満対策の経済的効果を数字で示す
7. まとめ
- AIの基礎は統計学。平均・回帰・確率の考え方がわかればAIの理解は加速
- Kaggleは最高の訓練場。写経から始めても実践的に学べる
- MRがデータを武器にすると提案力が段違い
エビデンス+リアルデータで医師・患者に寄り添う提案が可能
- 特徴量エンジニアリング
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